本作では広報室と記者クラブとの関係性の変化が、大きな見どころになっている。それだけに記者クラブの内装、演じる俳優の演技には細心の注意が配られた。記者クラブに常駐しているマスコミは「東洋新聞、全県タイムス、朝陽新聞、毎報新聞、読日新聞、関東経済新聞、東都新聞、中央通信、情勢通信、群馬日報、NHA、群馬中央テレビ、FMケンミン」の全13社。瑛太扮する秋川が所属する東洋新聞以外は、元ネタが想像できる社名になっているのも面白い。中央にある警視庁とはまた違った、地方警察の記者クラブという雰囲気を作るために、現役記者や元記者の方々に監修をしてもらい、新聞、テレビ、ラジオ、通信社など各メディアで異なる、記者の仕事ぶりやキャラクターの違いを細部にわたって作っていった。通常26人いる記者役の俳優はそれぞれ仕事モードと、この部屋で生活しているモードの動きを特訓。彼らはオーディションで選抜され、その後ワークショップを行って、各々の役割を決めていった。広報室に一致団結して対抗していくときと、各社の思惑が交錯して意見の足並みがそろわないときの違いが、きちんとキャラクター分けされていることで、見事に出ているのに注目してほしい。記者クラブは入口から入るとすぐに記者全員に知らせるべき事件の項目が書かれたホワイトボードがあり、その目の前に大きめの応接セットが用意されている。壁に沿ってコの字型に各社のデスクがセットされ、その内側にも詰め込んだようにデスクが並んでいる。デスクの上には様々な事件ファイルが並び、記者の性格によってデスクの上が乱雑な人と、整理された人がいる。大きな事件がないときにはソファーで寝ている人や応接セットで将棋をしている人などリラックスした雰囲気が作られ、その醸し出す空気は非常にリアル。この記者クラブ全体が、この映画のもう一人の主役とも言えるのだ。